学校という場所から改めて学んだこと(2)
こうして始まった三カ月は、これまでの自分の人生観を大きく変えてくれました。
が、冒頭で書いたように、授業はとにかく大変でした。
入校式をすませ、最初の授業の前にクラスの人たちと一人ずつ自己紹介をする機会がありました。
ほとんどの人がITやプログラミングにとても興味を持った人たちで(私にはITの言葉も初見でした・・・)、中にはサービス業界のバイヤーさんや、経理関係のお仕事を経験された方もいて、皆さんパソコンスキルだけでなく、職務経験の実績もしっかりしていた人たちでした。
そんな中に、仕事でパソコンを使わずに過ごしてきた自分が入学したのです・・・。
なので最初の一カ月は、エクセル・ワードの「基礎」と言われる授業だったのですが、皆さんが授業の理解とタイピング両方がそもそも早い中で、私は何度も簡単なパソコンの操作でつまずくだけでなく、エクセル・ワードそのものの理解と、教科書の読み進みを同時に覚えていかなければなりませんでした。
とにかくまずパソコンの画面を見ながら教科書も見て、瞬時に教科書の問題を把握しながらデータも頭の中で記憶して・・・それを慣れないタイピングで記録していくという状態でした。
今でも、授業初日のことが忘れられません。
皆が先生の指示通りに表作成や文書作成でタイピングをし終えると、一番タイピングの遅い私のキーボードを叩く音だけが教室に響きました。すべてがゼロスタートの私には当たり前の結果と頭ではわかっていても、先生だけでく沢山のクラスメイトの足を引っ張ることが目に見えていて、ただただ苦しかったです。
帰宅後は授業の復習に、タイピングの練習で毎日が多忙でしたが、その二週間後にはなんとか授業の流れにはついていけるようになりました。
何よりも少しずつパソコンに向き合う自分を好きになり、自然と授業にも素直に取り組めるようになりました。
二か月目になると、少しずつ授業のスピード感が変わってきました。GIMPという画像の編集やデジタルの絵描きにつながるソフトの授業に変わったのです。この授業でも人一倍早いというわけではなかったのですが、スタートから人並みに授業の流れについていけました。
自宅で少しずつ使っていたクリップスタジオと近い考え方ができることもあり、アイコンの意味や一つ一つの加工でどんな動作をするのかを学ぶのが楽しかったです。
それまで話したことのなかったクラスメイトからも、「このソフト覚えるのが早いね!もしかして絵を描くのが好きなの?」とだんだん話しかけてもらえるようになりました
レイヤーマスクやトレースを学ぶ授業では、これまで学んでいたデッサンの考え方を活かすことができ、少しずつ先生から技術の伸びをほめてもらうこともありました。
そして最後の三カ月目は駆け足ながらにWEBサイトの作り方を学習して、卒業前にはチームを組んでオリジナルのWEBサイトを作る一カ月になりました。HTML・CSSにワードプレス・・・今思えば一番濃厚な時間でした。
この授業では本当に進みが早かったことと、だんだん体の疲労も出てきた時期でした。
クラスの人も花粉症やいろいろな体調不良と向き合いながら過ごしていたように思います。
次いでこの頃は積極的な就職活動の勧めや、資格試験の推奨が学校であり、資格の受験にはかなり私も色々目移りしていました。
後ほど別の記事でお話したいのですが、この時は授業だけでなく私も心療内科の通院と重なったこともあり、授業・資格試験の勉強・就職活動・授業の予習復習のマルチタスクにもうパンク寸前でした。
今思えば、そんなに抱え込まなくてもよかったなあ・・・と思います。
案の定、もう少しでチーム制作という大事な手前で心がポッキリ折れたのでした。
そうなる前に、クラスメイトに弱音一つでも相談すればよかったな、と今でも思います。
結果、だれにも何も言えなかった私は数日学校を休み、何とか気持ちのリセットをしました。
休んでる間はとにかく「自分は何てできない人間なんだろう」とネガティブ一直線でした。
なにせゼロからのスタートだったので、とても自分が成長できてるようには思えなかったのです。
すべてが行き詰ったように思えた時、そもそもこの学校に行くと決心した瞬間の自分は何を考えていただろうと振り返りました。ここで出来ないと逃げたとしても、戻ってくるのは何もできない日常です。
その時に思い出したのは、新しいことを始めるとき____この学校に通い始めた時に、必ず決めていたことを思い出しました。
「できることを探して、まずはそこから始めよう」と。
復帰すると、チームで行うWEBサイトの制作の授業が始められていました。
それまでの流れを一度断ち切ってしまったのでとても不安でしたが、先生方のしっかりしたサポートのおかげでチームにはすぐ打ち解けられ、、少しずつ順調さを取り戻していきました。
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次回に続きます。